天御祖神の初(うい)のひと息

縄文の古代文献「ホツマツタヱ」は、ヲシテ文字と言われる神代文字で書かれています。

日本書紀の「一書に曰く」の一書、原典のひとつと考えられています。

全編が五七調で、一万行を超える長編叙事詩。

日本建国の物語であり、古代日本人の文化、風習、教育、死生観、宇宙観までもが書かれているのです。

江戸時代に仏教僧らによって研究されていた「ホツマツタヱ」を、昭和41年、当時一流の文化人で編集長でもあった松本善之助氏が再発見され、以後57年、多くの在野研究者によって地道な研究がなされてきました。

私財を投げうって、研究成果の本を自費出版された方もおられるそうです。

先人の努力の上に、尊ぶべき古代やまとの姿をいま垣間見ることができることに、心から感謝いたします。


さて、天地開闢、天地創造の描写は、ホツマツタヱの中で何か所も出てまいります。

ホツマツタヱ14アヤ(ホツマでは、章をアヤ(綾)と言います)には、


あめみをや あめつちひとも(天御祖 天地人も)

わかさるに ういのひといき(分かざるに 初生の一息)

うこくとき ひかしのぼりて(動くとき 東昇りて)

にしくたり(西下り)…(略)


という記述があり、このあと五元素(地水火風空)が生じて万物を形成していく様子が描かれています。

宇宙の中心に坐します天御祖神が

天地も人も存在しない混沌の中に大きな吐息を吐かれたところから、

動きが生まれ、渦を巻き始めた様子が書かれているのです。


ほつま・やまと文化塾の小深田宗元氏は、著書『読み比べ・古事記とホツマツタヱ』の、

「ホツマツタヱの語る宇宙創成神話」のコラムでこう述べられています。


「この宇宙は、アメミヲヤの意思の発現、最初のウイ(初生/有意)のヒトイキによって

始まった。それはまるでビッグバンのよう。そのヒトイキが、この宇宙空間、虚空を回転運動する中で・・(略)やがて天空をつらぬく御柱が立ち上り、その周りにアワとウビ(ガスとチリのようなものでしょうか)が漂い巡り始める・・・」

「広大無辺な構想力を持った縄文時代の先祖の人々に畏敬の念を感じます。ホツマツタヱ思想最大の核心は、この宇宙創成神話にあるといってもよいのです。」


私も、ホツマツタヱの根幹は、この宇宙創成神話にあると感じています。

縄文時代から、こうした豊かな精神性と思想を持っていたと知ることで、

日本人として生まれて良かったと、感じていただけると思います。

中国から「高度な文化」「文字」が入ってくるまでは、まるで低レベルの文化しかなかったように、学校で教わってきた世代です。

しかし、決してそうではなかったことを、ホツマを学ぶことで確信しています。


参考:今村聰夫著『はじめてのホツマツタヱ』かざひの文庫

   鏑邦男著『ほつまつたゑ』日本古代文化研究所

   小深田宗元『読み比べ・古事記とホツマツタヱ』かざひの文庫


   

















縄文アメミヲヤ倶楽部

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